教会の家族の困難が解決された

写真私は2009年9月に牧師として按手を受け、2010年2月に祈りの答えとしての結婚がかない、その約1か月後、あるご婦人が教会に導かれて来られました。そのご家族が抱えていた困難が奇跡的に解決されたことをお分かちしたいと思います。

突然の電話-そのいきさつ

それは、2010年4月、一本の電話が入ったことから始まりました。電話をかけてきた女性は、教会のHP(ホームぺージ)で私の連絡先を知り、ご自分が離婚を考えているが、それを決める前に私のところへ電話をしたと語られました。ところが、そのお話を聞いていくうちに、あまりにも困難な問題を抱えておられるがため、その痛みに一緒に沈んでしまい、どう答えて良いのか慰めていいのか、自分には初めての体験でしたので、一瞬我を失いそうでした。その時「あなたのしようとすることを主にゆだねよ」(箴言16章3節)と語りかけを受けました。そしてまず、イエス・キリストを信じてくださいと、救いの招きの祈りを導き、とにかく受け入れてもらい、「離婚してはいけません」と率直に答えました。

そして、その女性は次の日曜に初めて教会の礼拝に来られました。ご自分の周りの全員が離婚するように勧める中、ひとりクリスチャンの友人が離婚を決める前にニューヨーク教会に電話をしてほしいといういきさつで連絡をしたと知りました。また、実の父親もこれまでは離婚を勧めていたのに、牧師に電話をした後、離婚は考え直したほうがやはりいい、と意見を変えられたと驚いて話してくれました。主をほめたたえました。

自己破産しか解決が見えない困難

しかし、その姉妹の状況を聞かされれば聞かされるほど、複雑な大きな問題をいくつか抱えておられることを知りました。まず、これだけ姉妹の周囲の方々が離婚を勧めるわけがありました。ご主人の前妻との裁判問題において、お子さんのとてつもない養育費の借金が増え続けているため、弁護士より、離婚をして自己破産をするしかないと強く勧められていました。また実のお母さんからも、小さなお子さんがおられるため、その子たちの将来のためにも自己破産は悪影響となるから、離婚しなさい、と憤慨されていました。さらに、ご主人の亡き父親が残された多額な借金問題と、ご主人がまだ医師の研修医の身から10年近く卒業できず、収入が厳しい状態がありました。

私は、裁判、自己破産という解決方法しかないという状況を聞かされ、私も家内もそのような事柄は詳しくないため知恵もなく、解決の糸口がまったく見えないなか、ただひたすらこれらの姉妹に許されている問題を一つ一つ神様に感謝しつつ祈りました。毎晩、毎晩、そのご家族のため時間をとって祈るなか、ひとつ、今担当されている弁護士は妥当なのかという思いが与えられました。  姉妹にもそのことを伝えましたが、実はこの弁護士が、これもまたご主人が信頼して任せていた税理士と組んで、ご主人の財産問題の不正な管理を行なっていた事と、実際は御夫婦は調停により話し合いで解決したいと願っていたのですが、裁判で戦う姿勢でいた事が分かったのでした。それで別の弁護士へ変えてから、いくらかよき進展もありました。その一つは前妻の方も再婚されていた事が分かったのです。それから1年もの間、また問題が起こったり、紆余曲折が許されていきました。

旦那さんの救い

話しは戻りますが、実はその姉妹のご主人は、姉妹が教会に来られたその1ヶ月後に、お子さんたちを連れて、日曜礼拝に来られました。ご主人は仏教徒との事でしたが、妻を助けてくださりお礼に来たと語ってくれました。ただ私は、今置かれている問題が解決されるには、ご主人もクリスチャンとして救いに導かなければという思いがあったので、イエス・キリストの福音を語ると、その場で受け入れのお祈りをされました。そして、2010年12月にはご夫妻で洗礼を受けられました。ハレルヤ。

このご夫妻の問題については、この洗礼を受ける直前まで大変よい方向へと進んでゆき、私たちは毎週のように、進展を聞かされては主をほめたたえ、喜んでいました。 ところが年が変わって、2011年の春、ご夫妻が日本へ帰国してみると、解決の方向へ進んでいると思った事柄が再び次々とひっくり返され、これまでにない苦境に追い込まれ、やはり自己破産しか道はない、そして離婚するようにという強い圧迫を受けられました。

神の言葉が与えられる-3つの出来事を通して

そのような時、私と家内がいつもの様に、姉妹ご家族のために祈り続けているある朝の祈りの中で、「これらの困難は、時を持って一瞬に解決される。」という言葉が聖霊様によって思いのうちに語られたのでした。そのことを家内に語り、姉妹にも伝え、礼拝の中でも告白していきました。

それから間もなく私は、2011年7月のパトモスチームの準備をしていたのですが、そのような時にアパートの浴槽の蛇口の水漏れがひどくなり、妻の経済的援助を得て直す事にしたのです。この水漏れだけでなく、トイレと台所の問題もありました。特にトイレのタンクに通じる元栓は、ここに引越しした時から硬くひねる事が出来ず、水がタンクに一杯になるのに30分ぐらいかかるため、常にバケツを用意してきました。これを機に、トイレと台所の水道の元栓も合わせて修理してもらい、長年、直したいと思っていた問題がすべて一気に解決しました。

また、もう一つ、教会の別の姉妹で、顎におできのような膨らみがあって、二年近くいやしの祈りをしてきました。パトモス派遣の後、自分はすっかり忘れていましたが、姉妹の方から「こんなに小さくなったんですよ」と顎を見せてくれました。顎にあった膨らみはかなり目立っていたのに、気がつかないほどというか、見た目にはほぼ完全に癒されていました。この神様のいやしの出来事も、いくら祈っても変わらなかったのに、この時にあっという間に癒された、と驚きました。それでも、与えられていた言葉は、大きな困難を抱えている姉妹に与えられた言葉だという思いが残っていました。

神の言葉の成就-思いを超えた形での解決

そして、とうとうこのご夫婦に神の言葉のとおりに、私たちの思いをはるかに超えた素晴らしいわざが起りました。それは2011年9月この兄弟が前妻の養育費の調停に出席するために帰国された時でした。調停員から前々から、本人が出席するよう言われていましたが、都合がつかず、一度も出席できず、その為調停員は前妻の側に立ち、とんでもない額の養育費を要求されていました。兄弟は誠意をもって回答し、逃げるわけではない事、できる限りサポートする意志のある事を伝えると、調停員が逆に兄弟の厳しい立場を理解してくれて、同情してくれました。そして実際、奇跡とも思える額に減額され、前妻のご家族も受け入れてくださり、調停によって解決されました。またこの帰国の間、亡き父親が残された多額な負債についても、身内の実業家の方にその日でなければ会えなかった奇跡的な出会いをされ、事情を聞かれると、自分がスポンサーとなるので、自己破産はしないようにと申し出てくれました。それは自己破産の手続きをするはずの前日のことでした。

もう一つ、兄弟は日本で精神科医として実績を積んでおられたのですが、米国に移住してからは研修医として、10年間の間、国家試験に挑んでいました。そして、2011年10月に受けた国家試験の結果、翌11月の発表日に「合格しました」と喜びにあふれた電話を受け取ったのでした。

裁判問題も、借金問題も、医師免許を取得するためのアメリカ国家試験も、10年がかりの戦いでしたが、この大きな3つの問題が一度に解決されました。この奇跡的な結果にご夫妻は心から主に感謝されていました。主をほめたたえます。主に栄光をお返しします。

「そのように、わたしの口から出るわたしのことばも、むなしく、わたしのところに帰っては来ない。必ず、わたしの望む事を成し遂げ、わたしの言い送った事を成功させる。」 イザヤ書55章11節