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神さまのことがわかってくる映画

■アメイジング・グレイス

マイケル・アプテッド監督 特別インタビュー

2011年2月8日、ホテル西洋銀座(東京都中央区にて、3月5日より封切の映画『アメイジング・グレース』の監督、マイケル・アプテッド監督に特別インタビューを行いました。この映画は、当時英国で行われていた奴隷制を廃止するために生涯をかけ、奮闘したウイリアム・ウイルバーフォース(1759年〜1833年)を描いています。世界中で200年以上も歌われ続けている『アメイジング・グレース』。この歌を作詞したジョン・ニュートンが彼の牧師で、映画に何度か出てきます。

マイケル・アプテッド監督紹介・・・
英国出身。ケンブリッジ大学卒。69歳。テレビ界から映画の監督に。現在、全米監督組合の会長。007シリーズで一番のヒット作、映画『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』の監督。同じく2月25日封切の映画『ナルニア国物語 第3章・・アスラン王と魔法の島』の監督。

Q1・・まず関心を持ったことは?
A・・・ウイルバーは30代後半まで、恋愛に関心がなかったのが、バーバラと結婚してからたくさん子供をもうけたことに関心を持ちました。ウイルバーと奥さんバーバラとの2人の関係を軸に持ってゆくことを制作側に提案し、それが受け入れられたのです。

Q2・・この映画で一番気に入っているシーンは?
A・・・庶民院のシーンです。ディベートのドラマ性。物語が少しずつ進んでゆく感じ。数多くのエキストラを使い、カメラも3、4台回しました。とてもワクワクしたことは、庶民院は今はないので、我々で作ったことです。バルコニーがついている教会を使って、その内装を変えて作りました。もちろん大変な撮影だったのですが、どこかでこれがこの映画の核になると思っていましたので。政治的なディベートが生き生きとしたものが撮れたと自負しています。

Q3・・一番苦労した所は?
A・・・宗教面と政治面の両面のバランスをいかに正しくとるかということに苦労しました。これはチャレンジでした。最初から最後の編集までバランスに心がけました。宗教や政治に偏って多くの観客がついてゆけなくなるといけないし、キリスト教に関しての尊敬をしっかり払いたかったので、政治に時間をかけすぎないようにしました。全員が満足できないかもしれませんが、両方の優先位を望んだので、バランスをどうとるかが難しかったです。

Q4・・作品作りで心がけていることは?
A・・・まず、題材が興味を持てるかは大きいです。それからいつも必ず、見出そうとするのは、感情的な人と人との関係です。それがある時に、単なるストーリーがパーソナルなものになります。この作品では、ウイルバー、奥さんになるバーバラ、ピット、ジョン・ニュートン、これらの人間関係があってこそストーリーが感情的なものになります。そうでないと、ただその『奴隷制度はいかん!』という、説教臭く語る映画になってしまいます。この映画はそういう映画ではありません。社会問題を扱って、政治の力を描いています。政治の力を描くのに、そういった感情的な関係があって、ドラマ性がある訳です。

Q5・・確かに最後にウイルバーがピットの横に葬られたシーンは感動しました。
A・・・いいですね。あそこは。

Q6・・これから作ってゆきたい映画の方向性があれば?
A・・・もう若くはないからね。特にとりたててビジョンや次にこれという方向性はありません。しかし、今までやって来たのは繰り返したくない。常に自分を刺激する映画を作りたいです。

Q7・・今日はどうも有り難うございました。
A・・・どういたしまして。友人のケン・ウェルズさんによろしく。

インタビューを終えて
わたしが、『4年前に、プロデューサーのケン・ウェルズさんに誘われて、ロスのウエストウッドでのプレミアに参加して、この映画を観て以来、早く日本でも封切られるようにと祈っていました。こうして今回封切となってとても嬉しいです。』と言うと、監督さんは『本当に長い時間が経ちましたね!』と言われました。ただこの日本封切りのタイミングが同監督の『ナルニア国物語3章』とほぼ同じタイミングとなったのも不思議です。
 

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